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3社とも売れた。利益率が上がったのは1社だけ——牛丼大手の決算が示した分かれ目

深掘りニュース
2026年8月3日 飲食note
3社とも売れた。利益率が上がったのは1社だけ——牛丼大手の決算が示した分かれ目

牛丼大手3社の決算が出そろいました。ゼンショーホールディングス、松屋フーズホールディングス、吉野家ホールディングス。3社とも増収です。

ここ数年、外食の決算は「増収」がほぼ前提になりました。人流が戻り、値上げが通り、客単価が上がったからです。だから、増収そのものはもう手柄になりません。

問題はその先です。売上が伸びたぶん、利益もちゃんと伸びたのか。

ここで、3社の景色がはっきり分かれました。営業利益率——売上のうち何%が営業利益として残ったか——を並べると、上がったのは松屋1社だけです。ゼンショーはむしろ下がり、吉野家は横ばいでした。

この特集では、同じ市場・同じコスト環境にいた3社が、なぜ「残る利益」で割れたのかをほどいていきます。そして最後に、規模がなくても真似できるのはどれかを、店の言葉に翻訳します。

まず、3社の数字を1枚で

事実から並べます。

ゼンショーホールディングス(2026年3月期)

松屋フーズホールディングス(2026年3月期)

吉野家ホールディングス(2026年2月期)

規模で見れば、ゼンショーが他の2社を合わせても届かない水準にいます。売上1.2兆円は、松屋と吉野家を足して3倍してもまだ足りません。

けれど、規模の順番と、利益の伸びの順番は一致していません。

なぜ「全社増収」なのに、利益率で差がついたのか

売上と営業利益から営業利益率を計算すると、こうなります(※各社の公表値から本記事で算出)。

同じことは、ブランド単位で見ても起きています。牛丼3ブランドはそろって増収でしたが、利益はすき家と吉野家が減り、松屋だけが増えました。会社の規模でも、売上の伸びでもなく、ここで並びが変わっています。

数字が小さいので見落としやすいのですが、飲食業の1ポイントは重い数字です。売上1,844億円の松屋にとって、1.2ポイントの改善は十数億円規模の利益に相当します。

そして、ここが今回いちばん面白いところです。

松屋は、原価率が悪化しています。

米価とエネルギー費の上昇で、原価率は36.1%から36.8%へ、0.7ポイント悪化しました。コストは、間違いなく重くなっている。それでも営業利益率は上がった。

つまり松屋は、上がった原価を、別のどこかで取り返しているということです。取り返した場所がわかれば、この決算の意味は一気に変わります。そしてそれは、規模の話ではありません——


この先の6章・約3,900字で、3社の戦略の中身と、そこから店に持ち帰れるものを書いています。

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