対象決算期:2026年3月期 通期(2025年4月1日〜2026年3月31日)
トリドールホールディングスの決算は、売上高・営業利益・経常利益がいずれも二桁から三桁の伸びを見せた一方で、親会社株主に帰属する純利益は前年から103.6%減少し、最終的に赤字となった。営業利益率も前年から0.4ポイント改善しており、本業の稼ぐ力自体は決して弱っていない。それでも純利益率は前年の-5.9%からさらに悪化し-10.7%となっている。この「本業は上向くのに最終損益は沈む」という現象は、規模の大小を問わずどの飲食企業にも起こり得る構造上の落とし穴だ。今回は、営業利益の増減内訳や自己資本比率といった開示済みの指標から、この落差の意味を読み解き、数店舗規模の経営者が自店の決算書を見るときに持つべき視点を整理する。
増収増益なのに純利益は赤字――何が起きたのか
トリドールホールディングスの今期は、売上高108,549百万円(前年同期比+12.5%)、営業利益5,484百万円(同+20.2%)と、本業の成長が明確に数字に表れている。営業利益率は5.1%となり、前年同期の4.7%から0.4ポイント改善しており、単なる売上拡大だけでなく稼ぐ力そのものが強くなっていることが分かる。