
サイゼリヤで2009〜22年に社長を務めた堀埜一成氏が、長野県のリンゴ農家と共同出資で新会社を設立した。温暖化やコスト増に直面する農家の課題解決を目指し、外食企業経営で培った知見を活用する。未利用の果実を使ったフルーツスナックで新市場を開拓し、農家の収益安定化を図る狙いがある。堀埜氏は味の素を経て2000年にサイゼリヤに入社し、製造直販体制の構築を主導した経歴を持つ。
原材料の産地が抱える悩みは、仕入れる飲食店にとっても他人事ではありません。農業の課題解決に外食出身者が乗り出す動きには、興味を引かれる経営者も多いはずです。
気候変動やコスト高で疲弊する一次産業と、安定調達を求める外食産業との利害が接近しており、外食経営の知見を農業側に持ち込んで新たな収益モデルを作る試みが目立ち始めています。今回の新会社もその流れの一つと位置づけられます。
取引先の生産者と加工品開発などで連携し、規格外品の活用を模索する道もあれば、産地との直接契約で調達を安定させる道もあります。自社メニューに未利用食材を取り入れることで、話題性と原価両面のメリットを得るという選択肢も考えられます。