いま何が起きているか
2026年10月26日時点、秋冬商戦の商品開発競争はさらに広がっています。松屋は「ごろチキチリソース」を鉄板・丼の2スタイルで投入し、990円のボリューム定食も発売しました。すき家は「ローストポーク丼」、マクドナルドは「チキンバーガーシリーズ」を新定番として投入するなど、牛丼・ファストフード各社がチキン・豚肉を軸にした新メニューで客単価アップを狙っています。
異業種・他ブランドコラボも継続しています。鳥貴族はアパホテルの「アパ社長カレー」とのコラボを20万食限定で11月1日から発売、ガストはMrs. GREEN APPLEの藤澤涼架さん考案メニューを投入、ファミリーマートは料理研究家リュウジ氏監修シリーズ第3弾(累計880万食)で初のパウチ惣菜を展開しました。「ちいかわラーメン」のようなキャラクターIP活用も定番化しています。
中食・テイクアウトへの展開も目立ちます。ほっともっとは550円からの「得弁ランチ」を全時間帯に拡大、しゃぶしゃぶ温野菜は店内の人気鍋をテイクアウト用「食べるスープ」に転用、丸の内の焼肉専門店は弁当5種でオフィス街のランチ需要を取り込み始めました。ローソンなど小売の「300円以下弁当」がSNSで話題になるなど、低価格帯の中食需要も顕在化しています。コナズ珈琲は6年ぶりのグランドメニュー改定でキッズメニューを新設し、フェア人気商品を定番化する動きも続いています。地域連携では鳥取・米子南高校が大阪王将とメニュー開発を行うなど、学生連携型の商品開発も各地で広がっています。集客・販促の観点でも、限定感・話題性・コラボ設計は共通テーマです。
構造・原理:大手と個店で分かれる商品開発の型
直近の報道を整理すると、商品開発は複数の型に収まります。
- 季節集中投入型:栗・いちご・ほうじ茶など同時期に同ジャンルの新商品を各社が揃え来店動機を作る
- 復活・再投入型・定番化型:フェア人気商品をグランドメニュー化する(コナズ珈琲、丸亀製麺)
- 看板メニュー刷新・拡充型:ザクザク食感のチキンバーガー化(マクドナルド)のように主力カテゴリーを磨き続ける
- 異業種・他店コラボ型:鳥貴族×アパホテル、ガスト×アーティスト、ファミマ×料理研究家のように話題性と開発力を補う
- 地域連携・教育連携型:高校・大学と組んだメニュー開発(米子南高×大阪王将、八代の高校生考案メニュー)
- 対極需要同時対応型(二階建て構造):高単価限定品と低価格定番品の役割分担(松屋の990円定食とロコモコ丼併存)
- 中食・業態外収益型:店内人気メニューをテイクアウト・弁当・レトルトに転用する動き(温野菜、天壇、焼肉福ちゃんのレトルト化)。外食の中食化・店舗外収益化の典型例です
- 低価格帯対応型:300円以下弁当や550円ランチのように、物価高下でも価格防衛する商品ライン
- AI活用型:ChatGPTで新メニュー名やアイデアを大量生成し、職人が肉付けする役割分担
- 見た目・体験価値訴求型:パフェやキャラクターコラボなどSNS拡散前提の商品設計
今週の動きが示すのは、秋という号砲に合わせて多くのチェーンの開発サイクルが同時にそろう構造があるという点です。大手が強いのは継続実施を前提にした「シリーズ設計」とスケールメリット、原価吸収力にあります。個店の勝ち筋は同じ頻度・規模で競うことではなく、「地域性」「調達ストーリー」「小ロットならではの鮮度」、そして大手が入り込みにくい教育機関・地域生産者との関係性です。
経営の打ち手
1. 季節食材・季節行事を既存メニューの型に載せる
定番の型を変えずに素材や見た目だけ差し替える方法は開発コストを抑えながら話題性を作れます。

















