
厚生労働省の毎月勤労統計調査(2026年3月分確報)によると、現金給与総額は318,563円で前年同月比3.1%増。ただし消費者物価上昇(1.6%)を差し引いた実質賃金は1.4%増にとどまり、実質賃金指数は87.1(2020年平均=100)と、購買力は約13%低い水準です。建設・金融がボーナス増となる一方、飲食業は7.2%の減給という結果が示され、業種間の賃金格差が拡大していることが浮き彫りになりました。
名目上の賃金は上がっているように見えても、現場の実感としては「全然楽になっていない」という声が多いのではないでしょうか。むしろ他業種との差が広がっていくのを見ると、焦りを感じる経営者も多いはずです。
今回のデータは、賃金上昇が業種によって大きく偏っていることを示しています。建設や金融のように収益性や労働需給が逼迫している業種はボーナスも増える一方、飲食業は原価高騰や人手不足による負担が重く、給与に跳ね返らせる余力が乏しい構造があります。
限られた原資の中で、成果連動型の手当やシフトの効率化で実質的な待遇改善を図るという道もありますし、価格改定や業態転換によって利益率そのものを底上げしてから賃金原資を確保するという道もあります。また、非金銭的な待遇(休暇制度や働きやすさ)で差別化を図るという選択肢も考えられます。