
文部科学省が7月末に公表した2025年調査によると、公立小学校の給食費平均実額は物価高騰前の2021年比で17.0%(5196円)上昇した。一方、同期間の食料消費者物価指数は25.8%上昇しており、給食費の引き上げがコスト上昇に追いついていない実態が明らかになった。政府は今年4月から学校給食費の無償化に着手し、児童1人当たり月額5200円の食材費を国庫が実質負担する制度を開始。2023年以降、独自に給食費無償化を進める自治体も増えている。
食材費の高騰に日々向き合う飲食店経営者にとって、給食費という異なる現場でも同じ構図が起きていると知ると、値上げの難しさが社会全体の課題だと実感できるのではないでしょうか。
学校給食は自治体や国の予算で運営される特殊な仕組みですが、物価上昇分をコストに転嫁しきれない点は民間の飲食店とも共通しています。国が月額5200円の食材費負担に乗り出したこと自体、公的にも価格転嫁の遅れが課題として認識されている証しといえます。
民間店舗では、給食費のような固定的な負担基準とは異なり、原価上昇に応じて機動的にメニュー価格を見直すという道もあります。また、仕入れ先の多様化や食材ロットの見直しでコスト吸収を図る方法もあれば、値上げのタイミングを分散させて客離れを抑える工夫も考えられます。