
回転ずしチェーン「かっぱ寿司」の元店長だった男性(当時34)が2015年に自殺したのは運営会社カッパ・クリエイトの安全配慮義務違反が原因として、神戸市の遺族が約7350万円の損害賠償を求め神戸地裁に提訴した。訴状によると、男性は前任者不在の店舗に異動し引き継ぎがないまま、人手不足と運営費圧縮の圧力の中で休日出勤を強いられ、うつ病を発症。休職願は「有給休暇」として処理され、復職後も店長・副店長不在の店舗に配属されるなど、会社側の対応に問題があったとされる。
人手不足の店舗を任され、引き継ぎもないまま重責を背負う店長職の過酷さは、現場を知る経営者ほど胸に迫るものがあるはずです。ご遺族の「真実が知りたい」という言葉の重みを、業界全体で受け止める必要があります。
大手チェーンの店長職は、アルバイトの定着難や人繰り、コスト圧縮の板挟みになりやすい構造的な問題を抱えています。今回の訴訟は、体調不良の申告が正しく処理されなかった点も含め、組織の安全配慮体制の在り方が問われる事案といえます。
店長やマネジャー層の異動・引き継ぎ体制を明文化し、体調不良や休職申請が確実に人事・産業医に届く仕組みを整えるという道もあります。また、人員不足時の応援体制や、上司による相談窓口の複線化を進めることで、一人に負荷が集中しない運営を目指すという選択肢も考えられます。