
料理系YouTubeチャンネル「あおいの給食室」を運営するSpoon(沖縄県)と、給食受託大手ハーベスト(神奈川県)が共同展開していたミールキットEC事業を巡り、損害賠償訴訟が起きている。Spoon側はハーベストによる一方的な契約解除とレシピ・顧客の流用を主張し、2億円超の損害賠償を請求。ハーベスト側は契約解除の正当性とレシピ盗用の不成立を主張し、双方の主張は対立している。判決は2027年初めに下される見通し。
インフルエンサーとの協業で新規事業を立ち上げた経験がある経営者にとって、契約解除や権利関係のトラブルは決して他人事ではないニュースかもしれません。良好な関係で始まった提携が、こうした法廷闘争に発展する怖さを感じる方も多いのではないでしょうか。
インフルエンサーのファン基盤と企業のリソースを組み合わせたコラボ事業は近年広がっていますが、契約解除の条件やレシピ・顧客データの権利の扱いが曖昧なまま進むケースも見られます。今回のようにEC事業が軌道に乗った後で関係が悪化すると、双方の主張が対立し訴訟に発展するリスクがあります。
企業側としては、提携開始時にレシピや顧客情報の権利帰属、契約解除時の条件を明文化しておくという道があります。また、インフルエンサー側も事業成長後の交渉力低下を見据え、初期段階で弁護士など専門家に契約内容を確認してもらうという方法も考えられます。いずれにせよ、事業が拡大するほど後戻りが難しくなるため、早い段階でリスクを想定した契約設計をしておくことが有効と言えそうです。