
外食・フードサービス業界のM&Aが2026年に入り33件(8月14日時点)と、年間最多だった前年の34件にほぼ並ぶペースで推移している。コロナ禍で落ち込んだ2020〜2021年から2022年以降4年連続で増加し、コロナ前を上回る水準に。今年は前年ゼロだった100億円超の大型買収が3件発生し、コロワイドが「珈琲館」「カフェ・ベローチェ」運営会社を買収するなど、有名ブランドを対象とした案件が目立つ。すかいらーく、モスも大型買収に動いており、新業態取り込みやブランド多様化による事業ポートフォリオ強化が背景にある。
自社の経営で日々の人手不足やコスト増と向き合っている経営者にとって、大手が次々とM&Aで規模を拡大していくニュースは複雑な思いを抱かせるものだと思います。
今回の動きは、人手不足や原材料費高騰、店舗DX対応の負担増という業界共通の構造的な課題を背景に、大手企業がブランド買収によって事業ポートフォリオを強化しようとする流れの一環と位置づけられます。個店や中小チェーンにとっても、こうした業界再編の波は無縁ではなく、取引先や競合の勢力図が変わる可能性があります。
自社で単独での成長を模索する道もあれば、業務提携やフランチャイズ化によって大手のリソースを活用する道もあります。また、買収される側・する側どちらの立場でも、自社ブランドの価値を明確にしておくことが今後の選択肢を広げることにつながるという考え方もあります。