フクタンの経営ノート
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喫茶店・カフェ経営の最新トレンドと打ち手

業態別/喫茶店・カフェ
最終更新:2026年7月28日 飲食note・フクタンの経営ノート

いま何が起きているか

2026年7月時点、カフェ・喫茶業態は値上げと季節限定メニュー、キャラクターIPコラボの投入合戦が同時進行しています。ドトールコーヒーは7月23日から「ドトールコーヒーショップ」「エクセルシオール カフェ」など約1,200店で価格改定を実施し、ブレンドコーヒー(S)は280円から300円、カフェ・ラテ(S)は380円から400円になりました。コーヒー1杯300円という価格ラインが業界の新たな目安になりつつあります。

季節限定メニューの投入も活発です。コメダ珈琲店は限定シロノワールに続き「ブランノワール」「ブランネージュ」を全国約1,158店舗で展開し、サンマルクカフェとプリンチ(スターバックス系列)は店舗限定のかき氷系デザートを投入するなど、夏のひんやりメニュー競争が加速しています。

キャラクターIPとのコラボも一段と広がっています。渋谷にはサンリオの新キャラ開発企画「NEXT KAWAII PROJECT」の上位10キャラを集めた期間限定カフェが登場し、東京ソラマチにはキャラクター「ピングー」の誕生45周年を記念したコラボカフェがオープン、コロッケとワッフルを組み合わせた専用メニューとグッズ販売を組み合わせています。物販・カフェ複合店「セサミストリートマーケット」もクリスマス商戦第2弾として、名入れ可能な特大ピザのパーティープランと単品ドーナツを同時展開し、単価の異なる複数の購買動機を用意しています。

地域特化・和スイーツの動きも見られます。サンマルクカフェは京都河原町三条店限定で宇治抹茶や八つ橋を使ったデザートを専用開発しました。コメダの姉妹ブランド「コメダ和喫茶おかげ庵」は2026年7月31日に東京都国分寺市へ19店舗目を出店し、抹茶・おだんご・和のシロノワールを主力に2030年までに50店舗体制を目指すとしています。奈良県では種苗メーカー・大和農園と地元カフェチェーン「フジエダ珈琲」が協業し、赤紫色のとうもろこし「大和ルージュ」を使ったランチ・デザート・パンを直営店で提供開始するなど、生産者と直接タッグを組む地産地消メニューの動きも見られます。

業態面では、トリドールホールディングス傘下の「コナズ珈琲」が2026年6月時点で全国55店舗まで拡大し、2025年3月期売上は約114億円(前年比31.8%増)と丸亀製麺に次ぐグループ内No.2ブランドに成長しました。また駅前再開発による複合店舗誘致も進んでおり、名古屋鉄道は8月26日、豊田市駅高架下の商業施設「μPLAT豊田市」を全面開業し、「タリーズコーヒー-SELECT-」やベーカリー「エピシェール」を含む8店舗が入居します。値上げ・原価対応が進むドトール・日レスHDも2027年2月期第1四半期に増収増益となっています。

構造・原理:なぜ値上げ・季節限定・コラボが広がるのか

カフェ業態の収益構造は客単価×来店頻度で決まりやすく、大手チェーンは値上げと季節限定メニューを組み合わせて客単価と話題性を同時に確保しています。原材料・物流・人件費という共通の外部要因は業界全体に及んでおり、個人店にも同様の圧力がかかっています。

旬の果物や既存人気商品の派生形は、原価やレシピを大きく変えずに話題性を作れる効率的な手法です。サンマルクとプリンチのかき氷対決のように、大手同士がほぼ同時期に似た企画を投入する現象は、季節限定メニューが「集客の必須施策」として業界標準化していることを示しています。

キャラクターIPコラボは単独ブランドでは届きにくい層にリーチできる集客効果があります。ピングーやセサミストリートの事例のように「周年・記念日」を起点にすると企画立ち上げの理由づけがしやすく、フードとグッズを組み合わせることで飲食単価に加えて物販収益も狙える構造になります。集客・販促ベーカリーとの複合業態化も、「滞在価値」や「体験」を売る競争軸への移行を反映しています。

コメダ和喫茶おかげ庵やコナズ珈琲の事例は、大手・チェーン動向における単一ブランド依存リスクへの対応策として、姉妹ブランド・分社化による意思決定スピード向上とブランド育成を両立させる手法を示しています。フジエダ珈琲と大和農園の協業のように、生産者と直接連携して独自食材を確保する動きは、地域資源を差別化要素に変える一つのアプローチです。名鉄豊田市駅のような駅前高架下の複合開発は、鉄道会社が国際イベントなどの需要を見込んで居酒屋・カフェ・ベーカリー・コンビニをまとめて誘致する流れであり、出店・閉店・M&Aの文脈でも駅直結立地の重要性が増しています。

経営の打ち手

値上げについては、大手の値上げ幅や理由の説明文を参考に自店の価格改定タイミングを合わせる道もあれば、価格を維持して価格競争力を訴求材料にする道もあります。原価上昇の実態を数字で把握し、値上げの根拠を顧客に伝える準備が必要です。値上げ・原価の動向を継続的に確認しておくことが有効です。

季節限定メニューは、大手と同じ食材で真似るより、旬素材+自店の強み(郷土食材、地域性、手作り感)を組み合わせる方が埋没しにくくなります。フジエダ珈琲の事例のように、地元の生産者や種苗メーカーと直接つながり、独自食材を限定メニューとして打ち出す道もあれば、既存の仕入れルートの中で地元食材の比率を高めていく道もあります。まずは小規模な期間限定メニューから試して反応を見る進め方も考えられます。

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