
サッポロビールは10月27日、グループ会社サッポロライオンが運営する「銀座ライオンビル」(東京都中央区)をリニューアルオープンする。1934年開業の同ビル1~3階は既存の「ビヤホールライオン」等が引き続き営業する一方、新たに4階に「サッポロ生ビール黒ラベル BEER AJITO」と「YEBISU BEER HALL TOKYO」の2店舗を開業。大人がビールを嗜む隠れ家的空間と、日本初のビヤホールを提案したエビスブランドによるプレミアムビヤホールという、異なるコンセプトの体験拠点を歴史ある建物内に併設する。
老舗の建物を守りながら新しい客層にも響く空間をつくるのは、口で言うほど簡単なことではないと感じる経営者も多いはずです。既存店の雰囲気を壊さずに刷新するバランス感覚には共感を覚えます。
大手ビールメーカーが自社の歴史的資産である店舗を、単なる飲食提供の場からブランド体験の発信拠点へと位置づけ直す動きと言えます。老舗の看板と新しいコンセプト店を同じ建物内で併存させることで、既存顧客と新規顧客の両方を取り込もうとする構造が見て取れます。
歴史ある店舗を持つ事業者であれば、既存業態はそのままに一部フロアや時間帯だけ新しい体験を加えるという段階的なリニューアルの方法も選択肢になります。逆に、老舗としての価値をそのまま前面に出し、あえて大きく変えない道もあるでしょう。自店の資産が何かを見直すきっかけとして捉えることもできます。