
FOOD & LIFE COMPANIES(スシロー運営)が、子会社の京樽をSRSホールディングス(和食さと運営)へ譲渡すると発表した。京樽はテイクアウト寿司「京樽」や回転寿司「みさき」を展開し、もともと吉野家ホールディングス傘下だったが2021年にF&LCが取得。買収後は収益面で苦戦したものの、ブランド刷新や店舗運営改善を進め2025年9月期に黒字化を達成していた。黒字化直後というタイミングでの売却の背景には、成長を続ける海外スシロー事業への経営資源集中があるとされる。
再建に力を注いできた事業を、成果が出た矢先に手放すという判断には複雑な思いを抱く経営者も多いはずです。自店の看板メニューや業態を見直す際にも通じる葛藤ではないでしょうか。
大手外食企業では、単に不振事業を切り離すだけでなく、黒字化させたうえで成長分野に資源を集中させるための「選択と集中」型M&Aが進んでいます。海外展開など成長領域への投資判断が、国内の既存ブランドの去就を左右する構図が見えてきます。
中小規模の店舗でも、複数業態を抱える場合は「どこに経営資源を集中させるか」を定期的に棚卸しする視点が参考になるかもしれません。また、事業を手放す判断は失敗ではなく、再建後の適切な着地点として捉える考え方もあります。