
食品デリバリー大手企業の売上原価率が前年85.4%から99.5%へ急上昇し、2025年9月からの9か月間で売上高282.9億円に対し粗利はわずか1.4億円にとどまった。低い粗利率にもかかわらず、実店舗を持たずデリバリー専用で営業するゴーストレストランは増加を続けている。背景には消費税の軽減税率(8%)と外食の標準税率(10%)の差、つまり「税率差9%」の存在が指摘されている。専門家は、デリバリー業態にはメリットだけでなく収益構造上のデメリットもあると説明している。
薄利のデリバリー市場で戦う経営者にとって、原価率99.5%という数字は他人事ではない厳しい現実だと感じる方も多いはずです。
フードデリバリー業界全体が価格競争と手数料負担で利益を圧迫される中、税率差というコスト構造上の追い風がゴーストレストランの新規参入を後押ししている構図が見えます。既存の実店舗業態にとっては、収益性の低いプレイヤーが増えることで市場全体の価格感覚にも影響が及びかねません。
自店のデリバリー比率と実店舗利益率を分けて管理し、儲からないチャネルへの過度な依存を見直すという方法も考えられます。また、ゴーストレストラン形態を試験的に導入し、税率差や固定費の少なさを活かした低リスク展開を検討する道もあります。あるいは、デリバリーはあくまで補助的な集客手段と割り切り、店内飲食の付加価値強化に軸足を置くという選択肢も一案です。