
2026年10月17日、フランス各地で物価高騰に抗議する大規模デモが発生し、一部が暴徒化して放火や略奪、治安部隊との衝突に発展した。パリには福岡ゆかりの飲食店が多数進出しており、10年前にパリ1号店を開いた一風堂(力の源ホールディングス)はルーブル美術館近くなど3店舗を展開。デモと治安部隊の衝突が店舗の目の前で起き、催涙弾の煙が店内に入り込む事態となった。現地スタッフは避難してきた市民を店舗内に受け入れる対応に追われたという。ミシュラン星獲得店を含む現地の飲食店関係者は、客足の減少など事業への影響に危機感を募らせている。
海外出店という大きな挑戦の矢先に、現地の治安悪化で店の前が騒乱の現場になってしまう。経営者としてこれほど予測しづらく、かつ対応に悩む事態はないだろう。
これは個別店舗の経営努力では防ぎようのない、海外進出につきまとう地政学・社会情勢リスクが顕在化した事例といえる。物価高騰への抗議という国内情勢の緊張が、現地に根を張る日本発の飲食ブランドの営業にも直接的な影響を及ぼしている構図だ。
海外展開においては、現地の治安情報を継続的に収集し、デモや暴動発生時の避難・休業基準をあらかじめ定めておくという備え方もある。また、本部と現地スタッフとの連絡体制を平時から整え、有事の意思決定を迅速化する仕組みづくりも一つの方法といえるだろう。
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