9月8日から16日にかけて、飲食業界の出店・閉店・M&Aに関する動きが相次いで報じられました。大手チェーンは商業施設や観光地の一等地への出店を加速させる一方、地方の個人店では休業を経て閉店に至る事例が続き、8月の飲食店倒産件数は80件と年間で最も多いペースを記録しています。同時に、投資ファンドや地方銀行、異業種企業が飲食企業に資本を投じる動きも複数見られました。この記事を読むと、大手だけが出店を増やせる立地選びの構造、個人店が閉店に至るまでにたどりやすい典型的な経過、そしてファンドや銀行による資本参入が事業承継や再編の新たな選択肢になりつつある実態が分かります。倒産が過去最多ペースにある今こそ、自店がどちらの流れに近いのかを見極めることが経営判断の出発点になります。
なぜ大手チェーンの出店だけが加速しているのか
大手チェーンの出店は、自前で集客するのではなく既存の集客装置に相乗りする形が増えています。家系ラーメン「壱角家」は約700席の大型フードコートを持つアウトレット施設に、「京都勝牛」は伏見稲荷大社の大鳥居正面という国内外からの集客力が保証された立地に出店しました。商業施設や観光資源という「他者が作った人流」を借りる出店は、単独路面店に比べて初期の集客リスクを抑えられる点が大手に選ばれ続ける理由です。
