8月7日から15日にかけて、京樽の売却(スシロー運営元からSRSホールディングスへ、譲渡額37.45億円)、一風堂やあみやき亭など大手チェーンの相次ぐ新規出店、コロワイドによるカフェ・ベローチェ買収、そして鹿児島のベーカリー「メリチェル」の閉店など、出店・閉店・M&Aに関する報道が30本集まった。この記事を読むと、大手外食企業が「事業を資産として売買する」判断基準がどこにあるのか、多店舗展開が単純な規模拡大ではなく多業態化の戦略として進んでいる実態、そして個店の開業・閉店が大手の動きとまったく異なる論理で起きていることが分かる。出店や閉店のニュースを個別に眺めるだけでは見えてこない、資本の「選択と集中」の構造を理解しておくことは、規模の大小を問わず自店の立ち位置を見極める材料になる。
京樽はなぜ「黒字化した直後」に売られたのか
京樽の売却は、不振事業の切り離しではなく成長事業への資源集中を目的とした判断だったと読み解ける。スシロー運営元のFOOD & LIFE COMPANIESは2021年に吉野家から京樽を取得し、64億円を出資して債務超過を解消したうえで、ブランド刷新と店舗運営改善を進め2025年9月期に黒字化を実現した。その直後に37.45億円で売却しており、「立て直してから売る」という順序自体が意図的な設計だったことがうかがえる。
