厚生労働省の毎月勤労統計調査(2026年3月分確報)で、現金給与総額は前年比3.1%増となった一方、飲食業は7.2%の減給という結果が示されました。同じ週には、丸亀製麺を展開するトリドールが増収でも純利益31%減、居酒屋「天狗」のテンアライドも赤字継続と、大手チェーンでも人件費増を吸収しきれない実態が明らかになっています。さらにスシローでは、店舗収支を理由に時給を据え置くことを禁じる労組との和解が成立しました。この記事を読むと、なぜ飲食業だけ賃金が他業種に取り残されているのか、大手ですら利益を削られる構造の正体、そして人件費との向き合い方を変えつつある現場の動きが分かります。原資の少ない中小飲食店ほど、この構造変化への対応が急務になっています。
なぜ飲食業の賃金だけ大きく減っているのか
飲食業の賃金が他業種より落ち込んでいるのは、コスト増を価格に転嫁しにくい構造があるためです。厚労省の統計では現金給与総額が前年比3.1%増えた一方、飲食業は7.2%の減給となり、実質賃金指数も2020年平均を100とすると87.1と、購買力は約13%低い水準にとどまっています。建設・金融がボーナス増で恩恵を受ける一方、飲食業は原価高騰と人手不足の負担が重く、給与に還元する余力がありません。
