
すかいらーくホールディングスは今年4月、干物定食「しんぱち食堂」運営会社の全株式を約110億円で取得した。2024年には「資さんうどん」も買収しており、M&Aによる業態拡大を続けている。背景には主力業態「ガスト」の値上げがある。看板の「チーズINハンバーグ」はコロナ前599円(税抜)だったが、都心部では779円(税抜・税込857円)まで上昇。デフレ期に確立した「気軽な外食」ポジションが崩れ、ハレの日需要寄りの利用へと変化しつつある。全3219店舗のうち約4割をガストが占める中、値上げ後も既存店客数の大幅減少は見られていないという。
値上げを続けながらも客足が大きく落ちていないという事実には、安堵する経営者も多いのではないでしょうか。一方で、看板業態の立ち位置が変わっていくことに不安を感じる方もいるはずです。
デフレ期に「気軽な外食」の象徴だったファミリーレストランが、値上げによって「ちょっと贅沢な食事」の場へと変わりつつあります。すかいらーくはこの変化に対応するため、既存業態の値上げだけでなく、しんぱち食堂や資さんうどんといった別業態のM&Aで客層・利用シーンの幅を広げようとしていると考えられます。
単一業態の値上げだけで利用シーンの変化に対応するという道もあれば、すかいらーくのように異なる価格帯・業態を組み合わせて客層を補完するという道もあります。自社で新業態を立ち上げる方法と、既存ブランドをM&Aで取り込む方法、どちらが自社の体力やスピード感に合うか検討する価値はありそうです。
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