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うどん業態の経営動向と打ち手

業態別/うどん
最終更新:2026年9月11日 飲食note・フクタンの経営ノート

いま何が起きているか

2026年9月11日時点で、うどん業態は割引・限定メニューによる販促競争、跡地活用によるM&A型出店拡大、異業種からの新規参入、海外展開、そして大手チェーンの取引関係の適正性という論点が同時に進んでいます。

すかいらーくHD傘下の資さんうどんは2025年12月期に売上高228億円(前年比42%増)を達成し、既存ファミレス跡地を転換した出店を続けています。9月3日からは一部店舗限定で秋の限定メニューを投入し、名物のぼた餅を使った「資ぼた餅ソフト」や地域限定の「秋鮭とイクラの親子丼」などを展開しています。

一方、丸亀製麺は7月の既存店売上高が前年同月比2.5%減となり、8月14日発表のトリドールHD1Q決算は増収減益でした。さらに9月10日、トリドールHDが食材加工の下請け事業者37社にシステム利用料を全額負担させ、支払い代金を不当に減額していたとして公正取引委員会から下請法違反の再発防止勧告を受けたことが判明しました。減額総額は少なくとも1億4000万円に上ります。

新たな動きとして、「山下本気うどん」が2026年9月10日、タイ企業Singha Corporationの子会社との合弁会社を通じてバンコクに海外初出店を果たしました。記念して9月14日から18日までアプリ会員限定キャンペーンを実施しており、海外展開の話題性を国内既存顧客の会員施策に結びつける発信手法が特徴です。

また渋谷「本家しぶそば 渋谷道玄坂店」は9月14日から開業1周年記念キャンペーンを実施し、価格を据え置いたままえび天のサイズアップと麺増量クーポン配布を行います。低価格帯の立ち食い麺業態における周年施策として、実質的な還元による再来店促進を狙う事例です。

Brand Bank Companyは9月1日より、居酒屋・うどんなど系列業態を横断した「月見フェア」(全34品)を開始しています。単一業態での季節メニューが一般的な中、グループ横断でテーマを統一する販促手法が登場した点は注目に値します。これらは新業態・トレンド出店・閉店・M&Aの広がりとも重なります。

構造・原理

うどんは単価が低く原価も比較的抑えやすい業態です。季節限定メニュー、クーポン、看板メニューの組み合わせ販売は来店動機づけの定番手法で、集客・販促として機能し続けています。資さんうどんの秋季新メニューのように、既存の名物商品をアレンジして対象店舗を絞って先行投入する手法は、需要検証とオペレーション負荷の見極めを同時に行う設計です。

山下本気うどんの海外出店は、資本力や現地パートナーの有無に左右される展開ですが、海外進出という話題性を国内アプリ会員向けの限定企画に結びつけている点は、規模を問わず応用できる発信手法です。本家しぶそばの周年キャンペーンも同様に、「価格据え置き+量の増加」という原価とのバランスを取りながら顧客満足度を高める手法であり、低価格帯麺業態に広く使える考え方です。

M&Aの成功例として、資さんうどんは大手の資本力・出店ノウハウとブランド力の掛け合わせで九州比1.6倍の年商を実現しています。既存ファミレスの跡地転換によって新規出店より短期間・低コストで拡大できる点が出店・閉店・M&Aにおける好例です。

丸亀製麺の既存店売上減少と他社の増収の対比は、業態単位ではなく企業単位で差が出ている実態を示します。加えて、下請け事業者へのシステム利用料全額負担という取引条件の問題が公取委から指摘された点は、規模拡大や業績改善を急ぐ中で取引先へのコスト転嫁が過度になりやすいリスクを示す事例です。人手・賃金の課題とあわせて、コスト構造全体の適正性が問われている局面といえます。

経営の打ち手

個人店・中小うどん店が大手と同規模でM&Aや海外展開を行うのは難しいものの、応用できる考え方は複数あります。

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