
1985年に兵庫県加古川市で炭火焼鳥屋として創業したトリドールホールディングスは、2000年に讃岐うどん「丸亀製麺」1号店を同地で開業し主力業態に育てた。16年に持ち株会社化し、現在は丸亀製麺のほか「コナズ珈琲」「ずんどう屋」「晩杯屋」、香港発の「譚仔雲南米線」など国内外20以上の業態を展開。26年3月期の売上収益は2787億円強で過去最高を更新し、丸亀製麺事業が全体の約5割を占める。創業者の粟田貴也氏は焼き鳥店が鳥インフルエンザで打撃を受けた後、丸亀製麺で再起し、41年間トップを務め続けている。省人化が進む業界で「人の手」による食の感動の提供にこだわる経営哲学を掲げている。
一つの業態の浮き沈みに振り回された経験を持つ経営者は多く、粟田氏が鳥インフルエンザの打撃から再起した過程には共感を覚える読者も少なくないでしょう。苦境からの再構築は、規模の大小を問わず誰もが直面しうるテーマです。
省人化・効率化が外食業界のトレンドとなる中、トリドールは20以上の多業態展開と「人の手」へのこだわりを両立させ、過去最高の売上を記録しています。単一業態依存のリスクを分散しつつブランドごとの個性を保つ経営手法は、多店舗展開を目指す企業にとって一つの参照軸となっています。
省人化によるコスト削減を優先する道もあれば、トリドールのように人の手による体験価値を軸に差別化を図る道もあります。また、主力業態に集中する戦略と、複数業態でリスク分散を図る戦略のどちらを選ぶかも、事業規模や経営資源に応じて検討の余地があるでしょう。
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