この1か月、スシローが1年ぶりに定番メニューの約1割を値上げした一方、6月の既存店客数が急落したという事実が明らかになった。かっぱ寿司やくら寿司は創業祭やコラボ企画で来店動機づくりを強化し、くら寿司は米国で年内100店突破、2027年にはタイ進出を発表するなど海外展開も加速している。国内では原価高が利益を圧迫し、元気寿司は売上37%増でも利益は10%増にとどまった。値上げと集客施策が同時多発的に進むこの状況は、規模の大小を問わずすし店経営者にとって「値上げのタイミングと客離れのリスク」「販促の打ち方」を考える材料になる。この特集では、大手チェーンの動きを横断的に見て、自店の価格戦略・販促設計・供給網対応にどう活かせるかを整理する。
なぜ大手チェーンは値上げに動いたのか
スシローの値上げは、原価上昇がなお続いていることを示す象徴的な動きだ。定番メニューの約1割を対象に20〜30円引き上げ、まぐろ赤身は120円から150円になった一方、サーモンやえびなど人気商品は据え置かれた。
