中央最低賃金審議会は7月23日の4回目会合でも結論を出せず、決着は27日に持ち越された。労働者側は前年度の目安63円を上回る75円の引き上げを求め、経営者側は価格転嫁の遅れを理由に難色を示している。同じ週に物語コーポレーションが新卒初任給を30万円へ引き上げると発表し、外食大手の採用競争も過熱した。最低賃金という「底上げの圧力」と、大手の待遇改善による「上振れの圧力」が同時に飲食業を挟み込んでいる構図が浮かぶ。学食運営会社のように価格転嫁できず人員配置で耐える現場もあれば、外国人材採用サービスがエリアを広げる動きも出ている。この特集では、賃金を巡る複数の圧力がどう重なり、飲食店経営者が今どの選択肢を検討すべきかを整理する。
なぜ最低賃金の攻防がここまで長引いているのか
労使の要求水準に大きな開きがあることが長引く理由だ。労働者側は前年度目安の63円を上回る75円を要求し、経営者側は原材料費高騰で支払い能力が限界に近いと主張している。埼玉県ではすでに1141円(63円増)へ改定済みで、全国的にも1100円台後半での決着が予想されている状況だ。