この1週間、宿泊・飲食業の人材構造をめぐる複数の調査・事例が相次いで報じられました。ヒューマンリソシアの調査は同業界が新卒ではなく転職者に支えられている構造を明らかにし、スシローは職場環境改善で離職率を約10%に抑え、ダンダダンはシフト管理アプリでシフト作成時間を半減させました。一方で特定技能受け入れ停止を受けた採用難、賃上げ後の資金繰り悪化による倒産リスク、最低賃金発効日の10月回帰という制度変化も同時に進んでいます。この記事を読むと、飲食業の人材確保がなぜ他産業と根本的に異なる勝ち筋を必要とするのか、大手の離職率改善策のどこが個店にも応用できるのか、そして賃上げや最低賃金の変化にどう備えれば資金繰りの悪循環を避けられるのかが分かります。人手・賃金という一見別々のテーマが、実は一つの構造でつながっていることが見えてきます。
なぜ宿泊・飲食業は「新卒が採れない」のが当たり前なのか
ヒューマンリソシアが公表した主要15産業の人材動向レポートによれば、情報通信業は新卒就職者比率が最も高い一方、宿泊・飲食業は転職による入職者比率が高いという対照的な結果が出ています。産業ごとに人材の流入経路そのものが異なるため、新卒中心の採用モデルを飲食業にそのまま当てはめても機能しにくい構造があります。
