9月13日から10月1日にかけて、大衆食堂・レストラン業態では複数の動きが重なった。日本フードサービス協会の8月データでは外食全体の売上が客単価上昇を軸に4.9%増となった一方、コメの小売価格が2週連続で3000円を割り込み、弁当店や外食店で「大盛り」「おかわり自由」の復活が広がっている。同時にサンマルクHDが「つるとんたん」を128億円で承継するなど大手のM&Aが加速し、サイゼリヤは山口県中部への出店や専門家評価での「インフレ対応力」首位など、値上げをしても客数を落とさない企業の存在感が際立った。この記事を読むと、客単価上昇と客数維持のどちらで売上を作れているかという業界共通の分岐点、コメ価格の変化がメニュー戦略に与える実務的な影響、そして大手の出店・買収ラッシュの中で個店がどこで差別化すべきかが分かる。値上げの是非に悩む経営者にとって、他社の動きを横断的に見ることは自店の価格設計を見直す材料になる。
なぜ客単価だけで売上を支える外食チェーンが増えているのか
8月の外食業界全体は売上4.9%増、客数2.6%増、客単価2.3%増と、数字の上では客数・単価ともに伸びている。ただしラーメン・カレー・定食業態8社の既存店データを個別に見ると、丸亀製麺は客数2.7%減を客単価3.3%増で補い、王将フードサービスは客数1.8%減を客単価1.6%増では補いきれず既存店マイナスとなった。客単価の上昇幅が客数減少をどこまで吸収できるかが、各社の明暗を分けている構造が見える。専門家による「インフレ対応力」評価でサイゼリヤが首位となった背景にも、値上げをしながら客数を落とさない設計力があるとされる。










