熊本地震での大手チェーンの一斉休業、6月外食売上の客数失速、ブロンコビリーの上方修正、そして飲食店倒産473件という過去最多の記録。この1週間で起きた出来事を並べると、外食業界がひとつの構造的な分岐点に立っていることが見えてきます。天候不順や地震という同じ外部要因を受けても、影響の大きさは業態や規模によって大きく異なりました。客単価に頼るしかない店と、体験価値やコスト管理で耐性を持つ店との差が、数字の上でくっきりと分かれています。今回の特集では、大手チェーンの好調な決算と中小店の淘汰が同時進行するという矛盾した現実の裏側にある共通構造を読み解き、規模を問わず今すぐ点検できる視点を整理します。
なぜ同じ天候・災害でも影響の大きさが違うのか
外食売上は前年比3.3%増でも客数は0.8%増にとどまり、客単価上昇だけで数字を支える構図が続いている。台風接近と土日の少なさが直撃したが、居酒屋やファミレスなど客数依存度の高い業態が減収に沈んだ一方、ファストフードは5.1%増と堅調だった。熊本地震でもすき家・マック・すかいらーくなど大手が横並びで店舗を休止したが、ゼンショーHDはキッチンカー派遣を検討するなど被災地支援と事業継続を両立できる機動力を持っていた。