今週はすき家・なか卯のVポイント最大15倍、かっぱ寿司の生ビール39%オフ、ケンタッキーのドリンク全サイズ100円など、大手チェーンが夏の客足減退を見越した割引・コラボ施策を一斉に打ち出した。くら寿司のミニオンズコラボやタリーズのK-POPコラボも話題を集め、販促の物量では大手の存在感が際立つ週だった。一方で同じ週に公表されたオールトゥデイの調査では、一度来店した店に「2回目以降行かなくなった」経験がある人が約8割に達するという結果も明らかになった。新規客を呼び込む施策が次々と生まれる一方で、その先の再来店を設計できているかという問いは置き去りにされがちだ。この特集では、大手の販促手法の共通構造と、リピーター離脱という現実のギャップを整理し、個人店・中小店がどのレバーを引くべきかを考える。
なぜ今、大手チェーンは一斉に割引・コラボ攻勢を仕掛けているのか
大手チェーンの一斉攻勢は、猛暑と夏休みという二つの要因が重なった時期に集中している。すき家・なか卯のポイント倍率キャンペーン、丸亀製麺の半額企画、磯丸水産の飲み放題、しゃぶ葉のランチクーポン、ケンタッキーのドリンク100円、かっぱ寿司の生ビール39%オフはいずれも既存のアプリ・共通ポイント基盤を土台にしている。規模のメリットがあるからこそ、追加の広告費をかけずに来店回数や客単価を細かくコントロールできる仕組みが成立している。個人店が同じ規模の割引を単発で打っても、原価と客足のバランスが崩れやすく、そのまま模倣できる施策ではない。
