最低賃金の2026年度改定では上乗せ幅が前年より縮小した一方、飲食・フード業態のアルバイト時給は三大都市圏で過去最高を更新した。外国人労働者数は過去最多を更新したものの、4月からの受け入れ制限が追い打ちとなり、外食業の倒産件数は2026年上半期で473件と過去最多を記録している。この記事を読むと、最低賃金の制度変更と実勢時給の乖離がなぜ広がっているのか、外国人材制限が外食業界にとりわけ重くのしかかる理由、そして賃上げだけでは解決できない「定着」と「採用導線」の課題にどう向き合うべきかが分かる。人件費と人手不足が同時進行するいま、制度の動きを追うだけでなく、自店の人材戦略そのものを見直す視点が必要になっている。
なぜ最低賃金の上乗せ競争は縮小したのに、人件費負担は増え続けるのか
2026年度の最低賃金改定は、33都道府県のうち上乗せ額の最大が福島の5円にとどまり、昨年度の最大18円から大きく縮小した。国の審議会が自治体間の引き上げ競争を是正する方針を示したことが背景にあり、適用時期も多くの県で例年通りの10月に戻っている。一方でマイナビの調査では三大都市圏の飲食・フード業態の平均時給が過去最高額を更新しており、最低賃金という制度上の下限が落ち着いても、人材獲得競争という市場の実勢は上昇を続けている。中国・四国エリアの時給が前年同月比48円増と最大の伸びを示すなど、地域による採用競争の激しさの差も広がっている。
