8月8日から26日にかけて、モスバーガーが家庭用冷凍食品ブランド「MOS Deli」を立ち上げスーパー・ドラッグストアに参入したというニュースが同時多発的に報じられた。同時期には塚田農場の弁当がスーパー紀ノ国屋で拡大販売され、ほっかほっか亭ののり弁当が50周年リニューアルを迎え、成城石井の調査では惣菜購入を「賢い選択」と捉える人が65.8%に達したことも明らかになった。この記事を読むと、外食チェーンがなぜこぞって中食・小売領域に踏み出しているのかという構造的な背景が分かる。また、消費税減税が外食に適用されないという制度上の非対称が各社の動きにどう影響しているかも分かる。さらに、惣菜市場が拡大する一方で伸び悩む商品カテゴリーがあるという、中食内部の明暗も見えてくる。中食を主戦場とする経営者にとって、外食大手が自陣に参入してくる動きをどう読み解き、逆に自店の強みをどう再定義するかは避けて通れないテーマになっている。
なぜ外食チェーンが相次いで中食に参入しているのか
8月25日前後に集中して報じられたモスバーガーの「MOS Deli」参入は、単発の新商品発表ではなく構造的な動きの表れである。焼きおにぎりに具材を挟んだ「焼きおにバーガー」を9月からスーパー・ドラッグストアで販売するこの動きは、店舗網の拡大に頼らず売上機会を広げる狙いを持つ。
