2025年8月16日から9月3日の焼肉関連ニュースを見渡すと、二つの相反する動きが同時に進んでいることが分かる。一方では焼肉店の倒産件数が統計開始以来2番目に高い水準(1〜8月で29件)となり、その大半が小規模店に集中している。もう一方では、物語コーポレーションの焼肉きんぐが372店舗に到達し、焼肉こじまが25店舗まで急拡大、精肉卸直営や老舗精肉店の新規参入も相次いでいる。この記事を読むと、なぜ同じ業態内で倒産と拡大が同時に起きているのか、原価高騰の中で利益を伸ばしている企業に共通する構造は何か、そして「肉の日」や記念日商戦がなぜ今も業界全体で使われ続けるのかが分かる。輸入肉高騰・光熱費上昇という共通の逆風の中で、生き残る店と淘汰される店を分けているのは何か。自店がどちら側に立っているかを見極めるための視点を整理する。
なぜ焼肉店の倒産は高水準なのに、大手チェーンは拡大し続けているのか
倒産と拡大が同時進行しているのは、同じ業態でもコスト吸収力が違う店に分かれているためだ。東京商工リサーチの調査では2025年1〜8月の焼肉店倒産が29件で、統計開始以来2番目に高い水準となったが、そのうち28件が従業員10人未満・資本金1000万円未満の小規模店だった。一方で焼肉きんぐは372店舗目を出店し、焼肉こじまは25店舗に到達、ギフトホールディングスは既存店好調と原価改善で通期営業利益予想を50億円に上方修正している。
