8月19日から9月6日にかけて、焼肉業態では倒産件数が高水準を維持する一方で、大手チェーンは出店攻勢と株価最高値を更新するという対照的な動きが同時進行しました。東京商工リサーチによれば焼肉店倒産は年間ベースで過去2番目の高水準にあり、その大半が従業員10人未満の小規模店に集中しています。一方で焼肉きんぐは全国372店舗目、牛角焼肉食堂は93店舗目を出店し、ギフトホールディングスは通期利益予想を上方修正しました。この記事を読むと、なぜ同じ業態で明暗がこれほど分かれているのかが分かります。また、記念日商戦やコラボ企画といった話題化施策が個店にどこまで応用できるかも整理できます。さらに、精肉店や老舗店が仕掛ける「素材の目利き」という差別化軸が、価格競争とは別の生存戦略になり得ることも見えてきます。コスト高と客離れの板挟みにある経営者にとって、大手の動きをどう読み解き自店の打ち手に変換するかが今月の核心です。
なぜ焼肉店の倒産は高水準が続いているのか
倒産の主因は輸入肉価格の上昇と光熱費・人件費の高騰が同時に重なったことにある。東京商工リサーチのデータでは2025年1〜8月の倒産が29件、前年同期の35件に次ぐ高水準で、そのうち28件が従業員10人未満・資本金1000万円未満の小規模店だった。つまり倒産は業態全体の問題ではなく、価格に敏感な家族連れ客層を主対象とする小規模店に集中する構造的な現象である。値上げをすれば客離れに直結し、値上げをしなければ原価が利益を食いつぶすという板挟みが、体力の乏しい店ほど深刻化している。
