8月21日から9月8日にかけて、洋食・バル業態では郊外型イタリアン「バンサン」の新宿・京王百貨店進出、イタリアンリゾート「ペルティカ」の10店舗達成、地域密着型の「十八商店」による神保町2店舗目出店など、多店舗展開企業の攻めの動きが相次いで報じられました。一方で外食企業バルニバービは地方創生ファンドを運営する新会社を設立すると同時に、26年7月期の業績予想を減益方向へ下方修正しています。この記事を読むと、郊外から都心へ商圏を広げる出店戦略にどんな意図があるのか、月見フェアや秋限定メニューといった季節企画がなぜ業態を問わず一斉に打ち出されるのか、そして攻めの投資と業績悪化が同時に起きる企業から何を読み取るべきかが分かります。自店の出店戦略や季節メニュー、コスト構造を見直すヒントとして、今月の動きを整理します。
なぜ郊外型・地域密着型のバルが相次いで多店舗化に動いたのか
郊外を主戦場としてきた「バンサン」が新宿の百貨店に出店し、神保町の「十八商店」が2店舗目を構え、「ペルティカ」が10店舗目を達成した。これらは業態も規模も異なるが、共通するのは既存エリアでの成功を足場に商圏を広げる「面の拡大」の局面に入っている点だ。競合の「ピソラ」との競争が指摘されるバンサンの都心進出は、郊外での差別化が難しくなった業態が、より客層の厚い立地でブランド力を試す動きと位置づけられる。十八商店のように「地域の井戸になる」というミッションを掲げ、あえて至近距離に2店舗目を出すドミナント戦略(同一エリアに集中出店し認知と効率を高める手法)は、資本力に頼らず地域内でシェアを固める中小企業ならではの選択だ。
