7月22日から29日にかけて、カラオケ大手が運営するバーチャルレストランが300店舗を突破し、業務スーパーの神戸物産が韓国居酒屋を開業、かつやが看板メニューを専門店として切り出すなど、異業種からの飲食参入と既存ブランドの新業態展開が相次いで報じられました。一方で同じ週に、牡蠣専業だったゼネラル・オイスターが産地不作でシーフード業態への転換を迫られ、急拡大した「鰻の成瀬」が235店舗まで店舗数を減らして立て直しに動くというニュースも流れています。新業態を次々に生み出す企業と、単一の食材・業態に依存して足元を揺さぶられる企業が同じ週に併存しているのは偶然ではありません。この特集では、これらの動きを横断的に見ることで、新業態ブームの裏にある共通のロジックと、規模の大小を問わず自店の経営判断に活かせる視点を整理します。
なぜ今、異業種からの飲食参入が相次いでいるのか
異業種企業の飲食参入は、既存資産の遊休化を防ぐ手段として広がっている。カラオケ運営会社が空き厨房を使いデリバリー専業ブランドを322店舗まで増やした事例や、業務スーパーを展開する神戸物産が食品工場と物流網を活かして韓国居酒屋を開業した事例がその典型だ。いずれも新規に厨房や仕入網をゼロから作るのではなく、本業で培った設備・調達力を横展開している点が共通する。