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外食の軽減税率格差(食料品減税と外食10%据え置き)

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最終更新:2026年11月2日 飲食note・フクタンの経営ノート

外食の軽減税率格差とは

2019年の消費税引き上げ時、日本は「食料品は8%(軽減税率)、外食は10%(標準税率)」という区分を導入しました。店内で飲食する「外食」はサービス提供とみなされ、テイクアウトや持ち帰りとは異なる税率が適用される仕組みです。

政府は2025年8月5日の臨時閣議で、飲食料品の消費税率を2027年4月から2年間、現行8%から1%へ引き下げる方針を決定しました。1989年の消費税導入以来初の減税で、2029年度本格導入予定の給付付き税額控除までの「つなぎ」措置です。外食・酒類は10%のまま据え置かれる公算が大きいとされています。

2026年9月13日時点で、この方針を盛り込んだ税制改正大綱が9月15日の閣議決定を目指し最終調整中と報じられました。大綱案には外食事業者がテイクアウトなど事業を多角化する際の支援策を明記する方向とされていますが、支援策の具体的な中身は2026年11月時点でまだ示されていません。

この結果、食料品・中食と外食の税率差は現行の2%から最大9%へ拡大する見通しです。2026年10月11日公表のシンクロ・フード(飲食店ドットコム)調査でも、飲食店の4割超が店内飲食の客足・売上へのマイナス影響を予想していることが明らかになりました。加工食品扱いの冷凍食品や持ち帰り・デリバリーには既に軽減税率8%が適用されており、この税率差を商機と捉える動きが大手を中心に広がっています。

構造・原理

この格差の根本は「外食=サービス提供」という税制上の区分にあります。同じ食材でも、店内で調理・提供され接客や空間という付加価値が伴うものは標準税率、持ち帰り・デリバリーやスーパーの惣菜・冷凍食品は軽減税率という設計です。

税率差が広がるほど、消費者にとって「家で食べる(内食)」「買って帰る(中食)」の相対的なコストメリットが増します。ロイヤルホールディングスの社長も、この税率差によって内食・中食が需要を「受ける」可能性を懸念し、テイクアウトメニューや店頭販売の強化を打ち出しています。中食との競合構造は、値上げ・原価の議論とも密接に絡みます。

この構造を逆手に取る動きも広がっています。2026年9月23日時点の報道によれば、モスバーガーは2年かけて開発した自社ブランド冷凍食品をスーパーで展開し、すかいらーくも冷凍食品35種類を販売するなど、外食大手が家庭向け冷凍食品市場への参入を加速させています。さらに2026年11月2日時点の報道では、ウェンディーズが既存店舗の厨房を活用し、持ち帰り・デリバリーの軽減税率(8%)を生かしたタピオカドリンク専業のデリバリーブランドを試験展開していることが明らかになりました。新規出店をせずに既存の厨房稼働率を上げつつ、税率差のメリットも得られる点が特徴で、ゴーストレストラン形態での収益上乗せ策として注目されます。

一方で現場への負担は中小・個人店に偏って表れています。シンクロ・フード調査では、回答者の68.9%が1店舗経営、50.6%が東京都所在で、テイクアウト・デリバリー実施店舗は50.6%にとどまりました。半数超がレジ・会計システムや運用面での負担増を見込んでおり、税率区分が変わるたびにシステム改修や価格表示の見直しが発生する構造的な課題が浮き彫りになっています。

食料品だけが減税され外食が据え置かれる構造は、外食業界の値上げをしにくくする副作用も指摘されています。割高感が強まるほど価格転嫁への理解を得づらくなり、人手・賃金の原資確保が難しくなるという懸念です。UAゼンセンの永島智子会長は2026年9月3日の記者会見で、来春予定される消費税減税について「賃上げに影響させるべきではない」と発言しています。

さらに、減税は必ずしも増収・増益に直結しないという実態も明らかになっています。生団連が卸・小売・飲食料品メーカー・外食の会員100社に実施した調査(2026年9月14日公表)では、減税時に売上高が増えると答えた企業は49%だった一方、営業利益が増えると答えたのはわずか22%にとどまり、53%は「変わらない」と回答しました。

もっとも、制度上の税率差と実際の店頭価格の変化は必ずしも一致しません。ホットペッパーグルメ外食総研の2026年6月調査では、食料品・中食の軽減税率が0%に近くなっても外食費を「今まで通り」続ける意向が76.0%に上り、税率差の拡大が即座に外食離れへ直結するとは限らないという見方もできます。

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