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最低賃金の仕組みと飲食店経営への影響

経営キーワード/最低賃金
最終更新:2026年9月4日 飲食note・フクタンの経営ノート

最低賃金とは

最低賃金は、国が定める時給の下限額です。厚生労働省の中央最低賃金審議会が全国平均の「目安」を示し、各都道府県の地方審議会がそれを踏まえて実際の金額を決定する二段階の仕組みになっています。都道府県は経済状況に応じてA・B・Cのランクに分けられ、ランクごとに目安額が異なります。

2026年度の全国加重平均は1177円で決定しました(2026年9月時点)。現行の1121円から56円の上昇で、過去最大だった25年度の66円増からは伸びが縮小したものの、国の目安55円をわずかに上回る結果となりました。最高は東京都の1280円、最低は宮崎県の1085円と、地域間の差は200円近くに達し、13年連続で200円を超える格差が続いています。

飲食経営にどう関係するか

飲食業は人件費比率が高い労働集約型の業態が多く、最低賃金の動向がそのまま採算に直結します。マイナビの調査(2025年12月〜2026年5月)では、ホールキッチン・調理補助の時給を引き上げた企業が75.0%と業種別で最高水準となり、その理由の多くが「最低賃金の改定のため」という受動的な対応でした。人手・賃金の逼迫と最低賃金の上昇が重なり、飲食店の人件費は毎年恒常的に押し上げられる構造になっています。

また、地域ごとに引き上げ時期がずれる問題も経営に影響します。学食運営会社のように価格転嫁がしにくい業態では、賃上げ原資を人員配置や仕入れの見直しで捻出せざるを得ないケースも出ています。値上げのタイミングを最低賃金の発効時期に合わせにくいことが、値上げ・原価戦略を複雑にしています。

2025年度は自治体トップの発言などで地域間の「上乗せ競争」が起き、一部県では発効が年度末まで遅れる混乱もありました。2026年度はこの政治的圧力が弱まり、上げ幅も適用時期も落ち着いた形に戻っています。32都道府県のうち多くが例年通り10月発効となり、京都・愛媛のみ11月発効です。国の審議会は地域間競争の抑制と早期適用の促進という方向性を打ち出しており、今後は自治体単独の突出した引き上げは起きにくくなる見通しです。

経営の打ち手

最低賃金の上昇は毎年ほぼ確実に起きる前提として、価格改定・生産性向上・採用戦略の三方向で備えることが有効です。

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