特定技能制度(外食業)とは
特定技能は2019年に始まった在留資格制度で、人手不足が深刻な分野に限り、一定の技能水準を持つ外国人材の就労を認めるものです。外食業も対象分野の一つで、日本人採用が難しい店舗の戦力として広がってきました。
制度には分野ごとに在留者数の上限が設けられており、外食業分野は約5万人が上限です。2026年4月13日時点で、この上限に想定を上回るペースで到達したため、政府は新規の在留資格認定証明書交付を一時停止しました。2019年の制度開始以来、外食業分野で初めての新規受入停止です。
重要なのは、停止の対象は「新規に海外から呼び込むルート」であり、すでに就労中の人材の更新や転職は継続できる点です。上位資格である特定技能2号への移行も従来通り可能で、停止後はむしろ既存人材の2号移行に注目が集まる構造になっています。
飲食経営にどう関係するか
人手不足・賃金が続くなか、特定技能は日本人・留学生アルバイトでは補いきれない人手を確保する手段として使われてきました。新規受入停止は、外国人材の採用計画に依存していた店舗や大手チェーンにとって、採用計画そのものの見直しを迫る出来事です。
一方で、既に在留している1号人材にとっては、2号への移行がキャリアの分かれ道になります。2号は在留期間の更新に上限がなく、家族の帯同も可能になるため、店舗側が移行を後押しできれば長期定着につながります。逆に支援が手薄だと、他店への転職や帰国という形で戦力を失うリスクがあります。居酒屋や大衆食堂・レストラン、ファストフードなど、シフト現場を外国人材に頼る業態ほど影響が大きくなります。
停止の長期化が見込まれることも踏まえると、新規受入の再開を前提にした人員計画は当面リスクが高い状態です。
経営の打ち手
- 既に在留する1号人材の在留期限とキャリア意向を早めに整理し、2号移行の対象者を洗い出す
- 評価試験対策のオンラインセミナーや学習アプリなど外部サービスを活用し、働きながら学ぶ人材の負担を軽くする