フクタンの経営ノート
飲食note アプリ版毎日のニュースで、読めば読むほど、飲食経営が強くなる入手
無料会員になると、自分の業態のニュースが前に出ます飲食noteの会員登録は無料です。業態を選ぶとその業態のニュースが前に並び、気になるタグの新着も受け取れます。無料で会員登録アプリのQRコードスマホで読む
飲食note › 経営ノート › ベーカリー

ベーカリーの出店戦略と業態融合の最新動向

業態別/ベーカリー
最終更新:2026年10月26日 飲食note・フクタンの経営ノート

いま何が起きているか

2026年10月時点で、ベーカリー業態は「カフェ・ホテル・百貨店・駅ナカとの境界消失」「出店規模の両極化」「単品特化型ブランドのSNS発全国展開」「老舗の事業承継・体力限界による閉店」が同時進行しています。

百貨店・駅ナカでは大型テナント刷新が相次いでいます。ジェイアール名古屋タカシマヤ「デリシャスコート」は11月12日にベーカリーエリアを刷新し、フランス発『PAUL』とNY発『THE CITY BAKERY』が新規出店します。エキュート大宮でも10月21日から11月13日にかけて9店舗がリニューアルし、新業態ベーカリー「エキナカブラン」が開業するなど、通勤・新幹線利用の短時間需要を取り込む構成へコンセプトを刷新しました。

横浜・新綱島では東急・住友林業などが築170年の古民家を核にした木造商業施設「新綱島MICCA」を開業し、古民家棟にはベーカリービストロが入居しました。歴史的建造物を収益化する複合開発の文脈でベーカリーが集客装置として選ばれています。七里ヶ浜の「Pacific BAKERY」はハワイアンメニューとアパレル物販を組み合わせたリニューアルを行い、観光地立地での複合収益化を進めています。

人気ベーカリー「パンとエスプレッソ」は初のデリカテッセン業態を大阪・堂島に11月下旬出店する予定で、パン単品販売から惣菜・デリへ越境する多角化の動きが広がっています。BAGEL & BAGELは11月5日に公式アプリをリリースし、クーポン・スタンプ機能でリピーター獲得を狙うなど、集客・販促のデジタル化も進んでいます。

一方で、個人店の高齢化・事業承継の課題も鮮明になりました。神戸・新開地で1926年創業の「大和家ベーカリー」が、3代目の体力的負担を理由にこの夏閉店しました。戦争や阪神・淡路大震災、コロナ禍を乗り越えてきた老舗が、経営者自身の体力限界という内的要因で幕を閉じた事例です。代々木上原の「カタネベーカリー」のように、ハムやベーコンまで自家製にこだわり24年続く住宅街の個人店も存在し、個人店の持続と撤退が同時に表面化しています。

季節商戦では、カフェモロゾフ・ココス・BAKE CHEESE TARTなど各社が栗スイーツを相次ぎ投入し、シナボンもハロウィン限定でパンプキン味のシナモンロールを発売しました。地域連携では、愛知県稲沢市で28店舗が参加するワンコインカレーイベント、熊本県八代市で地元高校生考案の新メニューが期間限定で登場するなど、自治体・商工会議所主導の横断企画も広がっています。

構造・原理

ベーカリーは単価が低く、原材料・資材コスト変動の影響を強く受けやすい業態です。出店戦略は「単品特化・省スペース化による効率追求」と「工房併設・体験型施設での客単価向上」という二方向が同時進行しており、資本規模・立地・客層に応じた選択が求められます。

百貨店・駅ナカ・ホテル・複合商業施設といった集客装置を持つ施設ほど、海外有名ブランドや人気店の誘致、業態刷新によってベーカリーを滞在型購買体験の中核に据える動きが強まっています。歴史的建造物や観光地立地を核にした複合開発も同様の文脈で、ベーカリーは「地域資産や施設コンセプトを収益化する装置」として選ばれやすい業態になっています。

カフェ側からの参入やパン業態自体のデリ・物販への越境が増えるほど、専業ベーカリーは「焼きたて」だけでは差別化が難しくなりつつあります。単品販売からの客単価・滞在時間拡大を狙う多角化は、業界全体のトレンドとして定着しつつあります。

個人店においては、戦争・震災・コロナといった外的危機を乗り越えても、経営者自身の高齢化・体力限界という内的要因には抗えないという構造的な脆さが浮き彫りになっています。出店・閉店の背景として、事業承継の準備不足が長く続いた老舗ほど表面化しやすい課題です。

経営の打ち手

単品特化・低価格帯の商品設計とSNSでの話題作りは、小規模からでも商圏を広げる有効な手段です。駐車場併設の小型出店や公園・駅構内・ホームといった通過動線の良い立地は、初期投資を抑えながら集客基盤を作る選択肢になります。

公式アプリやLINE公式アカウントによるスタンプ・クーポン施策は、単価が低く来店頻度で売上を積み上げるベーカリー業態においてリピーター化の有効な手段です。自社開発が難しい場合は、既存サービスを活用した段階的なデジタル化から始める道もあります。

この続きは有料会員限定です

飲食noteの有料プラン(月々2,980円/年間一括20,400円・5ヶ月ぶんお得/初めてご契約の方は7日間無料トライアル)で、経営ノートの全文とAIコンサル「フクタン」が使い放題になります。

飲食noteで続きを読む
この論点を深掘りした特集
根拠にした主なニュース
関連する経営ノート

飲食noteは、業界ニュースとAIコンサル「フクタン」の解説を毎日無料で読める、飲食経営者のためのメディアです。無料会員になると、自分の業態を選んで関係するニュースを前に出せます。

飲食noteを続けて読んでいただいています。無料会員になると、自分の業態を選んでその業態のニュースを前に出せて、気になるタグの新着もフクタンの解説つきで受け取れます。