コメ価格乱高下とは
2025年前半、コメ価格は「令和の米騒動」と呼ばれる急騰局面を迎え、5キロ4000円台にまで上昇しました。しかし2025年後半以降は一転して下落が続き、2025年10月時点で5キロ2926円まで下がり、7週連続の下落かつ3000円割れが3週連続となっています。
この背景には、コメ不足を受けた増産と政府備蓄米の大量放出があります。2025年7月末には備蓄米52万トン超が完売した一方、25年産米の大幅増産により民間在庫は過去最大の243万トンに達し、適正水準とされる180万〜200万トンを大きく上回りました。需給が「不足」から「過剰」へ急転換したことが、価格乱高下の根本原因です。
飲食経営にどう関係するか
コメは和食やすし、カレー・エスニック、大衆食堂・レストランなど幅広い業態の主要原価であり、価格変動は直接利益率に響きます。実際、サイゼリヤやスシローなど大手チェーンは原価・人件費・エネルギー高騰に加え米価上昇も重なり、値上げに踏み切りました(値上げ・原価参照)。
一方で2025年秋以降の価格下落を受け、静岡の定食店でご飯食べ放題が復活するなど、仕入れコストの低下を「大盛り」「おかわり自由」といった量的サービスで来店動機に変える動きも広がっています。
注意すべきは、生産者側の疲弊です。福井の農家では買取価格が60キロ1万6000円程度に対し生産原価が2万2000円超に達し、「今年でやめる」という声も出ています。2026年産の概算金も前年比2〜4割下落する地域があり、離農が進めば中長期的に供給の安定性や品質にしわ寄せが及ぶ可能性があります。また、米価高騰を機に家庭の内食回帰が進んでいるという調査もあり、外食への来店動機そのものが揺らいでいる点にも注意が必要です。
経営の打ち手
仕入れ値の変動を前提に、メニュー価格や量を柔軟に見直すタイミングを設けることが第一歩です。値下がり局面では期間限定で大盛り・おかわり自由を導入し、再び原価が上がった際に調整しやすい設計にしておくと、価格競争に飲み込まれずに済みます。
複数の仕入れルートや産地を分散し、価格変動リスクを平準化する体制も有効です。ブレンド米や代替穀物の活用、複数年契約・直接取引の検討も、調達の安定性を高める選択肢になります。









