外食の中食化・店舗外収益化とは
外食の中食化・店舗外収益化とは、飲食店が店内飲食に頼らず、冷凍食品・テイクアウト・小売販売・EC・ゴーストレストランなど「店舗の外」で収益を得る仕組みを持つ動きを指します。
2026年8月時点で象徴的なのが、モスフードサービスによる家庭用冷凍食品ブランド「MOS Deli」の立ち上げです。看板メニューを冷凍化した「焼きおにバーガー」を9月からスーパーやドラッグストアで販売開始しました。同社はこれまでECサイト限定で冷凍ライスバーガーを扱っていましたが、実店舗小売にまで販路を広げた点が転機です。すかいらーくHDもゴーストレストラン展開を検討しており、大手を中心に「店舗以外での稼ぎ方」を模索する動きが広がっています。
構造・原理
背景の一つは制度上の線引きです。政府・与党は飲食料品の消費税を2027年4月から2年間、8%から1%に引き下げる方針を検討していますが、外食はその対象外とされています。同じ食材を使っても「店内で食べれば10%、持ち帰り・小売なら軽減対象」という税率差が生じるため、外食企業は店舗外の販路を持つことで税制上不利になりにくい収益構造を作ろうとしています。この論点は外食の軽減税率格差や外食・食品税率差拡大問題と直結します。
もう一つの背景は、コロナ禍以降拡大が続く冷凍食品市場です。共働き世帯の増加や節約志向の広がりで、家庭内で調理の手間を省きつつ外食的な満足感を得たいというニーズが高まっています。外食チェーンにとっては、来店客数の増減に業績が左右されにくい「第二の収益源」を持つ意味があります。単一業態・単一チャネルへの依存を避ける動きは、モスの海外展開や「おぼんdeごはん」運営会社の買収など多角化戦略とも重なります。外食・中食・内食の境界が薄れつつある構造変化として捉えられ、中食や内食との関係が強まっています。
経営の打ち手
大手のような自社ブランド冷凍食品開発や小売流通への直接参入は、個店にとってハードルが高いのが実情です。ただし、規模に応じて取り入れられる方向性はいくつか考えられます。
- 看板メニューをテイクアウトや冷凍販売向けに再設計し、地域のスーパーや物産店、ふるさと納税返礼品への提供など小さく試す