外食・食品税率差拡大問題とは
政府は2027年4月から2年間、食料品の消費税率を軽減税率8%からさらに1%へ引き下げる方針を閣議決定しました。
一方、店内飲食(外食)の消費税率は10%のまま据え置かれます。この結果、食料品(弁当・惣菜など中食を含む)と外食の税率差は、現行の2%から一気に9%へ拡大する見通しです。
消費税制度上、外食は「食事サービスの提供」として扱われ、軽減税率の対象外とされています。テイクアウトや弁当店で販売される食品は「食料品」として軽減税率の対象になるため、同じような食事でも税率が大きく異なる構図が生まれます。
飲食経営にどう関係するか
税率差の拡大は、外食と中食・内食との価格差を直接広げます。同じ予算でも、店内飲食よりテイクアウト・弁当・惣菜を選ぶ消費者が増えやすくなり、外食離れが懸念されています。
この構造変化は業態や規模を問わず影響します。大手チェーンでは、ロイヤルホールディングスやすかいらーくHDが早々にテイクアウトメニューや弁当強化の方針を示しました。すかいらーくHDは売上の85%以上を店内飲食に依存しているため、税率差拡大への危機感が特に強いとみられます。
一方、減税対象となる弁当店・中食側にも課題があります。原材料費や人件費の上昇が続く中、減税分をそのまま値下げに反映できるとは限らず、消費者が期待する「食料品が安くなる」実感と現場の実情にギャップが生じる可能性があります。値上げ・原価の圧力は中食側にも及んでいます。
外食の軽減税率格差は以前から指摁されてきた論点ですが、今回の食料品側のさらなる減税により、その格差が構造的にほぼ5倍近くまで広がる点が新しい局面です。
経営の打ち手
税率差を前提に、外食店が取りうる方向は大きく二つに分かれます。
- 店内飲食ならではの体験価値(接客・空間・出来立て感)を明確に打ち出し、価格差を納得してもらう方向